ホーム > 文化・スポーツ・観光 > 歴史 > メールマガジン「あおもり歴史トリビア」 > 「あおもり歴史トリビア」第25号(2012年9月21日配信)
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更新日:2015年6月1日
みなさん、こんにちは。臨時職員の村上です。9月15日、16日に県内の祭りが大集合して「あおもり10市(とし)大祭典」が新青森駅前で開催されました。天候に恵まれたこともあり、見に行かれたかたも多かったのではないでしょうか。今日のテーマは、10市大祭典にも登場した「ねぶた」です。
私は9月8日、県立郷土館の「土曜セミナー」に参加し、ねぶた制作者・竹浪比呂夫(たけなみ・ひろお)さんの講義「ねぶた造形と表現」を聴いてきました。今回はその報告をします。
みなさんは「昔のねぶたはもっと大きかった」という声を耳にしたことはありませんか?
昭和39年のねぶた「玉藻之前」(『目で見る青森の歴史』より)
竹浪さんによると、現在のねぶたが幅9mまでと定められているのに対し、昭和30年代のねぶたは幅7~8mほどで、現在より大型というわけではなかったようです。それでもねぶたが大きく見えたと言われることには、周囲に高いビルがなかったこと、桟敷席がなく地面に座ってねぶたを見るために低い位置から見上げる格好になっていたこと、ねぶたの面(めん)が現在よりも小さく胴の長い体型であったことなどが関係しているといいます。
ねぶたの表現に関しては、骨組みが竹から針金に変わったことで、細かな表現ができるようになったというお話を聴くことができました。竹で作ったねぶたは全体的に丸みのある体型で、面は現在よりも平面的だったそうですが、針金が使われるようになって、筋肉や迫力のある顔が表現できるようになったといいます。ねぶたの表現の幅が広がった例として、竹浪さんは第3代ねぶた名人の佐藤伝蔵さんのねぶたを挙げ、袖の翻る感じをうまく作っていたと話していました。
竹浪さんによると、最近ではねぶたを武者絵や浮世絵ととらえたり、色つけ前のものを「紙の造形」として鑑賞したり、現代アートのひとつであるワイヤー・アートのアーティストが針金細工の技術に関心を持ったりと、ねぶたは美術の世界でも注目されているそうです。ねぶたには様々な可能性が秘められていると感じました。
ねぶたの製作技術を活用した作品(「あおもり灯りと紙のページェント」のようす)
ねぶたの歴史や表現方法について知ることによって、祭りをより一層楽しめるのではないでしょうか。ねぶたの歴史については「青森タイムトラベル」第2回(『広報あおもり』8月1日号)で紹介しておりますので、あわせてご覧ください。
また、竹浪比呂夫ねぶた研究所(安方2丁目)では今日から23日まで「祭りのあとのねぶた展」が開催されます。今年運行されたねぶたの原画などが展示されるそうです。こちらにも足を運んでみてはいかがでしょうか。
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