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更新日:2024年5月15日
認知症は誰でもかかる可能性がある脳の病気です。いろいろな原因で脳の細胞の働きが悪くなったために様々な障がいが起こり、生活するうえで支障が出ている状態を指します。
認知症の原因となる病気には、「アルツハイマー型認知症」、「血管性認知症」、「レビー小体型認知症」、「前頭側頭型認知症」など約70種類を超えるといわれています。原因疾患ごとに症状や治療法が異なりますので、原因となっている認知症の病気を早期に診断することが大切です。
認知症は、早期発見、早期対応することで、進行を遅らせたり、症状を軽減したりすることができます。
「もの忘れが多い」、「もしかしたら認知症かな?」と思っても、体裁が悪いと病院に行かなかったり、家族なども「歳のせいかもしれない」、「しばらく様子をみよう」と本人を気遣い、病院に行くことを先延ばしたりすることがあります。このような“ためらい”は、結果として認知症の症状を悪化させてしまう場合があります。
下記の脳の健康チェックをおこない、該当する場合は、迷わず相談、ためらわず受診しましょう。
【本人記載用 脳の健康チェックリスト】
*質問に当てはまると思ったら〇印をつけましょう。
No. | 質問 | ○印 |
---|---|---|
1 | 物の名前が出てこなくなった | |
2 | しまった場所を忘れ、ものを探すことが多くなった | |
3 | 趣味を楽しんだり、好きなテレビ番組を見ることが面倒になった | |
4 | 着替えや身だしなみに気を遣うことが面倒になった | |
5 | 最近のテレビ番組は難しいものが多くなったと思う | |
6 | 時々「不安」や「焦り」の気持ちが、わいてくることがある | |
7 | 些細なことに対して、イライラするようになった | |
8 | 昨夜の食事内容を、考えても思い出せない | |
9 | 慣れた道でも、迷ったことがある | |
10 | 蛇口の締め忘れやガス台の火の消し忘れが多くなった |
*NO.1~8の項目に〇印がついた場合は、個数に関係なく地域包括支援センターへご相談ください。
*NO.9・10の項目に〇印がついた場合、個数に関係なく、医療機関へご相談ください。
【家族記載用 脳の健康チェックリスト】
質問に当てはまると思ったら〇印をつけましょう。
「以前に比べて」どうなったのかで判断してください。
No. | 質問 | ○印 |
---|---|---|
1 | 同じことを何度も言ったり、聞いたりする | |
2 | 物の名前が出てこなく、「あれ」「これ」という言葉が多くなった | |
3 | 趣味や好きなテレビ番組に興味を示さなくなった | |
4 | 着替えが面倒になり、身だしなみを構わなくなった | |
5 | 些細なことで、怒りっぽくなった | |
6 | 新聞やテレビの内容をよく理解できなくなった | |
7 | いつもしていたことをしなくなった 例)庭いじりをしなくなった、仏壇を拝まなくなった、犬の散歩をしなくなった等 |
|
8 | 老人クラブに参加したり、友人と話したりなど周囲との交流を避けるようになった | |
9 | 自分の失敗を、何かのせいにするようになった | |
10 | 置き忘れや、しまい忘れが目立ってきた | |
11 | 慣れた所で、道に迷うようになった | |
12 | 約束の時間や場所を間違えることが増えた | |
13 | 蛇口の締め忘れやガスコンロの火の消し忘れが、目立つようになった | |
14 | 夜中に急に起き出して、騒いだことがある | |
15 | 薬を飲むのを忘れるようになった | |
16 | 財布や通帳など大事なものが盗まれたと言うようになった | |
17 | 来ていない「人」や無い「物」を「居た」とか「見える」とかいうことがある(幻視) |
*NO.1~10に〇印がついた場合、個数に関係なく地域包括支援センターへご相談ください。
*NO.11~17に〇印がついた場合、個数に関係なく医療機関へご相談ください。
*特にNO.16・17については早期受診をお勧めします。
出典:青森県健康福祉部高齢福祉保険課作成「認知症に関するリーフレット」
脳の健康チェックリストダウンロード用(PDF:329KB)
アルツハイマー型認知症は、薬で進行を遅らせることができます。
早い段階から使い始めることで効果があります。
妄想、不眠、攻撃的な言動、うつ状態などの行動・心理症状を抑える薬もあります。
また、接し方等について助言を得ることができます。
早期に診断を受けることで、本人と家族が心の準備ができます。
今後必要となる医療や介護等に対し、見通しをもって準備ができます。
認知症と似た症状を引き起こす病気(正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫など)があります。
これらは、早期診断し、早い段階で治療することで症状の改善が可能です。
認知症は、健常な状態からMCI(軽度認知障害)を経て、認知症に至ります。
【MCI(軽度認知障害)とは】
認知症と完全に診断される一歩手前の段階です。認知機能の低下の自覚があるものの、日常生活は問題なく送ることができている状態のことです。健常な状態と認知症の中間の状態であり、認知症だけでなく、健常な状態にも移行しうる状態といえます。
MCIでは、1年で約5~15%の人が認知症に移行する一方で、1年で約16~41%の人は健常な状態になることがわかっています。適切な認知症予防対策を講じることで、健常な状態への回復や認知症への移行を遅らせることが期待できます。
参考:国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター「あたまとからだを元気にするMCIハンドブック」
全国キャラバン・メイト連絡協議会「認知症サポーター養成講座標準教材 認知症を学びみんなで考える」
認知症の人が、できることを活かして、希望や生きがいを持って暮らしている姿を知ることは、認知症に対する画一的で否定的なイメージの払拭につながり、また、認知症の人や家族の不安を軽減し、前向きな暮らしにつながることが期待されます。
厚生労働省では、認知症の人が、自らの希望を語り、地域の中でそれを実際に叶えながら過ごしている姿を伝える動画「認知症の人からのメッセージ」や、認知症の人の暮らし方やアドバイスなどを、認知症の人たちと一緒にまとめた「本人にとってのよりよい暮らしガイド」を作成しています。参考にご覧ください。
【認知症の人からのメッセージ】
~絶望してしまうのはもったいない。希望がきっとみつかります~
世の中の多くの人たちは、「認知症になったら、何もわからなくなる、何もできなくなる」、「認知症になったら、人生もうおしまい」という旧いイメージ(偏見)を、根深く持っています。
わたしたち自身も診断された当初はそう思い込み、絶望し、生きていく自信や気力を一気に失ってしまった時期がありました。
でも、実際は違いました。
病気になったからといって、いきなりすべてがわからなくなる、できなくなるわけではありませんでした。
少しずつ、わからないこと、できないことは増えてはいきますが、診断後何年たっても、まだまだわかること、できることがたくさんあります。
自分自身が旧いイメージに縛られたままだと、よりよく生きていける可能性を自分でつぶしてしまいます。
まず、自分の中にある旧いイメージから解放されましょう。
自分自身の中にある可能性を大切に、一日一日を楽しく暮らして行きましょう。
出典:地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター「本人にとってのよりよい暮らしガイド 一足先に認知症になった私たちからあなたへ」
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更新情報
2024年5月15日、タイトル修正、「脳の健康チェックをしましょう」、「認知症の経過」、「認知症の人からのメッセージ」を追加しました。
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