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更新日:2023年12月11日
地盤沈下とは、地下水の汲み上げすぎなどによって、私たちの生活基盤である大地が広い範囲にわたって沈んでいく現象をいいます。
本市では、国土地理院が昭和47年に実施した水準測量によって、昭和43年からの4年間に、最大21.7cmも地盤が沈下していることが確認されました。また、県の港湾関係機関が実施した水準測量結果により、海岸線が大きく沈下していることも判明しました。これが契機となり、地盤沈下の状況を総合的に把握するため、昭和47年10月に国・県・市・国鉄(現JR)が協力して水準点を市内主要箇所に150点設置し、以来水準測量を継続的に実施しています。
また、本市が実施した地下水利用実態調査や青森県が実施した地下水収支解析調査等各種調査の結果、本市における地盤沈下の原因は、地下水の過剰な汲み上げにより地層の脱水減圧が生じることに伴う圧密収縮であることが判明しました。このため、昭和49年1月に青森市公害防止条例の一部を改正し、地盤沈下の主因である地下水の過剰な汲み上げを規制しています。
この結果、調査開始当初の昭和48年には半年で6cm以上の沈下が観測されるなど急激に進行していた地盤沈下が、昭和50年・51年には年間最大沈下量3cmを超える地域が新町地区等一部に狭まるなど、鈍化傾向を示すようになりました。それ以後、大きな沈下現象は認められていません。
これまで本市及び国・県は、本市の地盤沈下の実態を把握するため、浅虫検潮所に付属している水準点「No.附15」を仮不動点とし、5月25日を基準日として水準測量を実施(平成11年度~19年度隔年実施、以後2年おきに実施)してきましたが、東日本大震災の影響と考えられる仮不動点の標高変動が確認されたことから、平成22年5月から平成25年5月の沈下量の把握が困難となったため、平成25年度の測定値を基点に水準測量を継続実施することとしました。
平成28年度以降の水準測量は、これまで本市と同時期に国土地理院が実施していた仮不動点から西田沢までの国道沿線の一等水準点の水準測量が見込めなくなったため、一等水準点「6048」を仮不動点として本市が青森地区全域で水準測量を実施しています。浪岡地区については、一等水準点「5957」を仮不動点として、平成28年度に新たに4点の水準点を設置し、地盤沈下の観測調査に着手しています。
測量地域 |
測量水準点数 |
測量距離 |
|
---|---|---|---|
青森地区 |
野内~問屋町~安田~新城~油川の海手側 |
103点 |
100.960km |
浪岡地区 |
杉沢~浪岡(平野)~女鹿沢~浪岡(細田)の地域内 |
6点 |
4.294km |
計 |
109点 |
105.254km |
順位 |
水準点番号 |
地区名 |
変動量(cm) |
---|---|---|---|
1 | 70A | 浜田字玉川 | -1.90 |
2 | 71C | 問屋町二丁目 | -1.37 |
3 | 87B | 第二問屋町三丁目 | -0.65 |
4 | 69B | 青葉三丁目 | -0.60 |
5 | 41C | 港町二丁目 | -0.39 |
6 | 37A | 合浦二丁目 | -0.30 |
6 | 39B | 港町二丁目 | -0.30 |
8 | 80B | 幸畑字唐崎 | -0.28 |
9 | 40B | 港町二丁目 | -0.27 |
10 | 156A | 緑二丁目 | -0.20 |
順位 |
水準点番号 |
地区名 |
変動量(cm) |
---|---|---|---|
1 | 203C | 浪岡字稲村 | -0.14 |
2 | 201C | 浪岡字平野 | -0.12 |
3 | 204C | 浪岡字細田 | -0.10 |
4 | 5956 | 女鹿沢字東種本 | -0.06 |
5 | 202C | 浪岡字平野 | -0.03 |
順位 |
水準点番号 |
地区名 |
変動量(cm) |
---|---|---|---|
1 | 48C | 油川字柳川 | 1.91 |
2 | 007-467 | 石江字高間 | 0.95 |
3 | 148A | 岡町字松本 | 0.78 |
4 | 147C | 羽白字富田 | 0.76 |
5 | 5964 | 新城字平岡 | 0.73 |
6 | 007-466 | 新城字平岡 | 0.72 |
7 | 64A | 浪館前田四丁目 | 0.71 |
8 | 143A | 富田三丁目 | 0.70 |
8 | 154A | 千刈一丁目 | 0.70 |
10 | 準基563 | 篠田三丁目 | 0.68 |
順位 |
水準点番号 |
地区名 |
変動量(cm) |
---|---|---|---|
該当なし |
(単位:k平方メートル)
年度 |
最大沈下量 |
2cm以上 |
1cm以上 |
1cm未満 |
合計 |
---|---|---|---|---|---|
H11年5月~H13年5月 |
3.10 |
0.10 |
0.30 |
50.60 |
51.00 |
H13年5月~H15年5月 |
0.7 |
0 |
0 |
1.75 |
1.75 |
H15年5月~H17年5月 |
1.1 |
0 |
0.03 |
38.87 |
38.90 |
H17年5月~H19年5月 |
1.1 |
0 |
0.01 |
21.93 |
21.94 |
H19年5月~H22年5月 |
0.7 |
0 |
0 |
0.74 |
0.74 |
H22年5月~H25年5月 |
- |
- |
- |
- |
- |
H25年5月~H28年5月 |
1.11 |
0 |
0.02 |
33.78 |
33.80 |
H28年5月~R1年5月 |
1.92 |
0 |
12.46 |
29.86 |
42.32 |
R1年5月~R4年5月 |
1.90 |
0 |
1.33 |
4.61 |
5.94 |
年度 |
最大沈下量 |
2cm以上 |
1cm以上 |
1cm未満 |
合計 |
---|---|---|---|---|---|
H28年5月~R1年5月 |
0.02 |
0 |
0 |
0.04 |
0.04 |
R1年5月~R4年5月 |
0.02 |
0 |
0 |
0.27 |
0.27 |
令和4年度の水準測量結果、令和元年5月から令和4年5月の3年間で、青森地区及び浪岡地区において顕著な地盤の沈下は確認されませんでした。
本市では、地下水の汲み上げすぎによる地盤沈下を防止するため、青森市公害防止条例で、次のような規制措置を設けています。
「揚水設備」とは・・・
動力を用いて地下水を採取するための設備で、揚水機の吐出口の断面積(吐出口が2以上あるときはその断面積の合計)が6c平方メートル以上のもの(φ27.6mmよりも大きいもの)をいいます。
なお、許可を得て新たに地下水を採取する場合でも、次の基準を厳守しなければなりません。
新たに地下水を採取しようとするときは、市長の許可が必要となります。許可となる条件としては、「揚水設備が規制基準に適合し、かつ、他の水源確保が著しく困難である(※)」と認められる場合に限られています。
「他の水源確保が著しく困難である」とは・・・
なお、吐出口がφ27.6mm以下の揚水機を設置する場合は市長の許可を必要としませんが、市職員の立会い・確認のもとで設置工事を実施していただくようご協力をお願いします。(1日当たりの可能揚水量は、許可を受けて設置する揚水設備と同様です。)
また、「青森市揚水設備以外の動力設備による地下水採取の届出に関する要綱」により、地下水採取届出書及び地下水採取量報告書の提出が必要です。
本市では、冬の積雪が大変多く、市全域が特別豪雪地帯に指定されています。昨今は様々な消融雪装置が考案され利用されていますが、地下水放流による消雪行為は青森市公害防止条例により禁止されています。
冬期間は地下水位が極度に低下し、この時期に大量の地下水を揚水すると地盤沈下を誘発する恐れがあるからです。
そこで、市では、降雪・積雪シーズンには、地下水採取指定地域内のパトロールを実施し、地下水の消雪利用防止に関する指導を行っています。
関連リンク
更新情報
2023年12月11日、調査結果及び関連リンクを更新しました。
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