アスベスト(石綿)対策
※トピックス※
大気汚染防止法の一部改正について
令和2年6月5日に、「大気汚染防止法の一部を改正する法律」が公布されました。改正法では、建築物等の解体等工事におけるアスベスト(石綿)の飛散を防止するため、石綿含有仕上塗材や石綿含有成形板等の除去作業に新たに作業基準が設けられるなど、規制が強化されます。詳しくは、以下の資料をご覧ください。
事前調査結果の報告(令和4年4月1日施行)
建築物等の解体等を行う前には、石綿含有建材の有無についての調査(事前調査)を実施する必要があります。また、事前調査結果については、令和4年4月1日から青森市への報告が義務付けされます。※同様に石綿障害予防規則に基づき、所管の労働基準監督署への事前調査結果の報告についても義務付けされます。
報告の対象
- 建築物の解体工事で、床面積合計80平方メートル以上
- 建築物の改造・補修工事で、請負代金合計100万円以上
- 工作物(環境大臣が定めるものに限る。)の解体・改造・補修工事で、請負金額合計100万円以上
報告の方法
事前調査の報告は、原則として「石綿事前調査結果報告システム(令和4年3月18日~運用開始)」において行います。報告には、「GビズID」への登録が必要となります。なお、当該システムを使用すれば1回の操作で青森市と所管の労働基準監督署の両方に報告することが可能です。
資格者等による事前調査の実施の義務付け(令和5年10月1日施行)
建築物の事前調査は、以下に定める知識を有する者に実施させる必要があります。なお義務付けの適用は令和5年10月1日からですが、それ以前であっても可能な限り必要な知識を有する者に調査を実施させてください。
- 特定建築物石綿含有建材調査者(特定調査者)
- 一般建築物石綿含有建材調査者(一般調査者)
- 一戸建て等石綿含有建材調査者(一戸建て等調査者。一戸建て住宅や共同住宅の住戸の内部のみ実施可能。)
- 義務付け適用前に(一社)日本アスベスト調査診断協会に登録され、事前調査を行う時点においても引き続き登録されている者
※資格を取得するには、登録講習機関が実施する講習を受講し修了する必要があります。登録講習機関については、以下のファイルをご覧ください。なお、講習の詳細や最新の登録講習機関情報は、厚生労働省のウェブサイトからご確認ください。
アスベストとは
アスベスト(石綿)とは、天然に産出する繊維状鉱物のことであり、蛇紋石系のクリソタイルと角閃石系のクロシドライト等5種類計6種類が知られていますが、現在、問題となっているのは、クリソタイル、クロシドライト、アモサイトの3種類です。これら以外のアンソフィライト、トレモライト、アクチノライトについては、産出量が極端に少ないため、工業的に使用されておりません。
アスベストの種類
- クリソタイル(白石綿)
- クロシドライト(青石綿)
- アモサイト(茶石綿)
- アンソフィライト
- トレモライト
- アクチノライト
アスベストの用途
アスベストは、耐久性、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性に非常に優れ、、かつ、安価であるため、建築資材、電気製品、自動車等に広く使われました。代表的な使用例は次のとおりです。
アスベストの用途
建築資材 |
屋根瓦、屋根(外壁)用波板、外装(内装)用平板、煙突 |
電気製品 |
絶縁板、耐熱板 |
自動車 |
ブレーキパッド、クラッチ板 |
その他 |
ガスケット、パッキン、断熱用接着剤 |
健康被害
しかしながら、近年、アスベスト繊維の大量吸入は、人体に多大な悪影響を及ぼすことが明らかとなってきました。
比較的大きなアスベスト繊維は、鼻水や咳・痰とともに体外に排出されますが、小さな繊維は肺の奥へ蓄積され、生体内でも分解されないため、数十年の潜伏期間を経て、様々な健康被害を引き起こします。
WHO(世界保健機関)の付属機関であるIARC(国際がん研究機関)は、発がん性リスク分類で、アスベストをグループ1(ヒトに対して、発がん性が認められる)に分類しています。
アスベストがもたらす健康被害としては、石綿(アスベスト)肺、肺がん、悪性中皮腫、良性石綿胸膜炎等が知られています。
法的規制
1 労働安全衛生法関係
- イ)アスベスト含有重量0.1%超の全てのものの製造、輸入、使用等が若干の例外を除いて、禁止されています。
- ロ)建築物、工作物、鋼製の船舶の解体・改修等に当たっては、事業者は、当該建築物等にアスベストが使用されているか否か事前に調査する必要があります。当該調査の結果、アスベストが使用されていることが判明した場合には、事前の届出が必要になるとともに、作業基準遵守が必要となります。
- ハ)建築物の壁・天井等に吹き付けられたアスベストが劣化等により飛散し、当該建築物を職場とする者がアスベストを摂取するおそれがあるときは、事業者は、除去・封じ込め・囲い込み等の措置を講じる必要があります。
- ニ)労働者を臨時就業させる場合において、就業の場となる建築物の壁・天井等に吹き付けられたアスベストが劣化等により飛散し、当該就業者が摂取するおそれがあるときは、事業者は、当該就業者に呼吸用保護具、保護衣、又は作業衣を使用させなければなりません。
詳しくは、青森労働局 労働基準部 健康安全課(電話:017-734-4113)まで。
2 石綿による健康被害の救済等に関する法律関係
アスベストの吸入により、健康被害を受けているかた及び生前、アスベストの吸入により健康被害を受けたかたのご遺族は、労災保険等の対象とならない場合でも、医療費・弔慰金等の救済給付を受けることができます。
詳しくは、「石綿健康被害救済制度」をご覧ください。
3 建設リサイクル法(建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律)関係
- イ)延べ床面積80平方メートル以上の解体工事、請負金額1億円以上の修繕・模様替工事等の実施に当たっては、事前の届出が必要です。
- ロ)届出に当たっては、吹付けアスベスト等の付着物の有無についての確認が必要です。
- ハ)特定建設資材(コンクリート、アスファルト・コンクリート、木材)に吹付けアスベスト等が付着している場合は、事前の除去が必要です。
詳しくは、「建設リサイクル法」をご覧ください。
4 建築基準法関係
- イ)吹付けアスベスト、アスベスト含有重量0.1%超の吹付けロックウールは、使用できません。
- ロ)既存建築物で、上記建築材料が使用されているものについては、増改築等の際、原則として、当該建築材料を除去しなければなりません。
詳しくは、青森市 都市整備部 建築指導課(電話:017-752-8193)まで。
5 大気汚染防止法関係
- イ)解綿用機械、切削用機械等アスベスト含有製品製造用施設を設置するときは、事前の届出が必要です。
- ロ)上記施設を設置する工場・事業場は、アスベストに係る敷地境界基準を遵守しなければなりません。
- ハ)吹付けアスベスト、アスベスト含有断熱材、保温材、耐火被覆材が使用されている建築物その他工作物を解体・改造・補修するときは、事前の届出が必要です。
- ニ)上記作業の実施に当たっては、前室の設置、HEPAフィルタ装着集じん・排気装置の使用等作業基準を遵守しなければなりません。
詳しくは、青森市 環境部 環境政策課(電話:017-718-0293)まで。
6 廃棄物の処理及び清掃に関する法律関係
- イ)石綿建材除去事業(建築物その他工作物に用いられる材料であって、石綿を吹き付けられ、又は含むものの除去を行う事業)や大気汚染防止法に規定される特定粉じん発生施設で生じたアスベスト及びその付着のおそれのあるものに係る飛散性アスベストは、特別管理産業廃棄物である廃石綿等として処理しなければなりません。
- (1)直接、埋立処分する場合は、あらかじめ、固形化、薬剤による安定化その他これらに準ずる措置を講じた後、耐水性の材料で2重梱包した上で、管理型最終処分場に搬入しなければなりません。
- (2)中間処理する場合は、溶融処理施設に搬入しなければなりません。(溶融後は、管理型若しくは安定型最終処分場に搬入しなければなりません。)
- ロ)工作物の新築、改築又は除去に係る事業活動に伴って生じた石綿スレート、アスベスト成形板等(アスベスト含有量0.1重量%超)の非飛散性アスベストは、石綿含有産業廃棄物として処理しなければなりません。
- (1)直接、埋立処分する場合は、管理型若しくは安定型最終処分場に搬入しなければなりません。
- (2)中間処理する場合は、廃石綿等と同様の処理をしなければなりません。(中間処理としての破砕ができないことに注意してください。)
- ハ)いずれの場合も、収集運搬の際は、他の廃棄物と区分し、飛散防止措置を講じた上で行ってください。
- ニ)処理を委託する場合は、委託先が廃石綿等又は石綿含有産業廃棄物に関する(特別管理)産業廃棄物収集運搬業若しくは処分業の許可を有することを確認してください。
詳しくは、青森市 環境部 廃棄物対策課(電話:017-718-1086)まで。
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