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更新日:2024年10月2日
ダニ媒介感染症は、「病原体(ウイルス、細菌、リケッチア等(※)」を保有するダニ類に刺咬されることによって感染する疾患です。特に、つつが虫病は、日本に常在する代表的な「リケッチア症」で、青森市内では例年、春から初夏(5~7月)と秋から初冬(10月~12月)に患者が多く確認されています。
(※)リケッチアとは・・・微生物の総称。
ダニ類等の節足動物を媒介とし、ウイルスと同じように細胞外で増殖できない。
または、偏性細胞内寄生体とも呼ばれる。
ツツガムシは非常に小さなダニの一種で、山林、河川敷、耕作地などに広く生息しています。
全てのツツガムシが毒性を持っているわけではありませんが、一部のツツガムシが生まれながらに毒性を持っており、その毒性はメスからメスへ伝えられるため、毒性を持つ一族が生息する狭い範囲が危険地域となります。
ツツガムシの幼虫は体長が約0.3ミリと非常に小さく、肉眼で見つけることは難しいため、山菜とりや、行楽で山や草むらに入った数日後に次の症状が見られた場合は注意が必要です。
5~14日
※治療が遅れると重症化して肝臓や腎臓の機能が低下し、死に至ることもあります。
ダニ媒介脳炎は、ウイルスを保有するマダニに刺咬されることによって感染する疾患で、日本では1993年及び2016年に北海道において発生が確認されています。7~14日の潜伏期の後、発熱、頭痛、筋肉痛などの症状が出現し、髄膜脳炎に進展し、死に至ることがあります。
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、ウイルスを保有するマダニに刺咬されることによって感染する疾患で、2011年に初めて特定されました。
感染した犬や猫の体液への直接接触による感染も報告されています。また、海外においては、ヒトからヒトへの感染事例が複数報告されています。
国内では、2013年に初めて患者が報告されて以降、ヒトからヒトへの感染は確認されていませんでしたが、2024年3月国内で初めてのヒトからヒトへの感染(患者→医療従事者)が報告されました。
この感染症に感染すると、6日~2週間の潜伏期の後、発熱と消化器症状などが出現します。時に頭痛、筋肉痛、神経症状(意識障害、けいれん、昏睡)、リンパ節腫脹、呼吸不全症状、出血症状(歯肉出血、紫斑、下血)が出現することもあります。さらに重症化すると死亡することもあります。
回帰熱は、細菌を保有するマダニに刺咬されることによって感染する疾患です。12~16日程度(平均15日)の潜伏期の後、発熱、頭痛、悪寒、筋肉痛、関節痛、全身の倦怠感などの症状が主で、時に、神経症状(意識障害、けいれん、昏睡)、リンパ節腫脹、呼吸不全、出血症状(歯肉出血、紫斑、下血)が出現します。
日本紅斑熱は、リケッチアを保有するマダニに刺咬されることによって感染する疾患です。2~8日の潜伏期の後、頭痛、発熱、倦怠感などの症状が出現します。つつが虫病とともに、日本に常在する代表的なリケッチア症で、症状として発疹が出ます。
クリミア・コンゴ出血熱は、ウイルスを保有するマダニに刺咬されたり、ヒツジなどの家畜と接触したりして感染します。2~9日間の潜伏期の後、発熱、関節痛、発疹、意識障がいなどが出現します。特異的な治療法はなく、死亡率の高い感染症です。中国西部、東南アジア、中央アジア、中東、ヨーロッパ、アフリカなどの海外で発生しており、2016年にはスペインにおいて初めて患者が報告されました。当該地域へ渡航中は、ダニに噛まれないよう注意しましょう。
ダニ媒介感染症を予防するには、ダニ類に噛まれないよう注意することが必要です。
山林や河川敷、耕作地に立ち入る場合は次のことに注意しましょう。
※もし、ダニ類に噛まれた後に症状が出た場合は、早期に医療機関を受診してください。
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更新情報
2024年10月2日、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について、情報を更新しました。
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