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更新日:2020年12月17日
『高校は受験しないで、宝塚音楽学校を目指したい』と、「子ども会議」の中心的メンバーが突然宣言して、その場にいた母親をはじめとしてみんなが驚いたことがあります。宝塚音楽学校と高校受験の併願という安全策、その退路を断って、一途に目標に向かって行こうとする力強い決意表明でした。
母親の正直な気持ちも十分に分かります。レッスンを積み重ねてきた才能溢れる少女たちとの競争で、合格がどれだけ難しいものか分かっているからです。きっと、何度も何度も話合われたことでしょう。暫くたって、地元の進学校に入学したという情報が伝わってきました。
儚い夢となってから数年、もう大学も卒業して新たな舞台をめざす頃かもしれません。今でも、あの時の真っすぐな姿勢は持ち続けていることでしょう。この子であれば、どんな舞台を選んでも、自分で人生を設計し、未来像に向かって着実に歩んでいくことを確信しています。
このエピソードは、宝塚ファンなので一層感激したのですが、元雪組トップ娘役"咲妃みゆ"が、新たなステージに踏み出した心境を「明日を信じて」の歌に綴っています。
流れ行く 白い雲
ふと蘇る 懐かしいあのメロディー
何気なく 口ずさめば
心に光 灯りはじめる
そっと背中を押す風が 私を誘う
頬を伝う雫は 豊かな泉となり
やがて笑顔の花が咲く
進もう 明日を信じて
宮崎県の小さな町から宝塚歌劇団に入団して、出会いと別れを繰り返しながら、数多くの涙の上に娘役トップまで昇り詰めます。いつも相手を立てて、控えめな"ゆうみ"ですが、シンブルな言葉の中に、未来に向かって歩む聡明さと芯の強さを感じます。
子ども会議のこの少女も、夢見た宝塚の舞台とは別の場所で、確かな未来を思い描きながら、青春を駆け抜けていったような気がします。子ども会議で学んだことを含めて、あらゆる経験がこれからの人生の糧となって、そっとあなたの背中を押してくれることでしょう。
コロナ禍の状況で、多くのリモート合唱が流れていましたが、ちぎみゆも登場する宝塚OGの"-また会える日まで-『青い星の上で』"が輝いていました。宝塚の舞台を夢見た青春にエールを贈ります。
新しい時代に 新しい風が吹く
その風を この身に受けて~
恐れずに 信じよう
きっとぼくらの時がくる
子どもの権利擁護委員 関谷 道夫
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