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更新日:2021年10月18日
進路決定の尊重で勇気をもらった
大学生が権利を守られたと感じた体験で多く出されたのは、「進路や部活、習い事の決定において自身の意見が尊重された」というものでした。具体的な例で考えていきます。
『中学生の時、夢である職業を言ったら家族が応援してくれた』ことが意見表明権を守られたと振り返っていました。自分の夢を応援してもらえることで勇気を持って可能性に挑戦することができたと感じていて感謝しているとのことでした。
意見表明権の尊重は葛藤への寄り添いでもある
また、こんな例もありました。『中学生の時、親に部活を辞めたいと言ったことがあった。でも、本当はやめたくない気持ちもあって悩んでいた』ということでした。その時、親が悩みを察してくれて、子どもの立場に立って一緒に悩みを解決していこうとしてくれたことがとてもうれしく、勇気を持って意見表明した自分を肯定的に振り返っていました。意見表明権を尊重するということは、無条件に言い分を聞くということではないことを教えてくれます。その子どもの年齢や決定づけていく力を勘案しながら、子ども自身が意思決定する過程を尊重し、子どもと一緒に考えの折り合いを付けていくことの大切さを示唆してくれるエピソードだと思います。
人間関係の調整により行使できる意見表明権
また、友人等の同級生に対する方が意見表明は難しいようです。『班活動で周りと違う意見は言い出しにくかった。言えないことが多かった』というものでした。本来、班活動では多様な意見を出し合いながら学びを深めていったり、学級の問題の解決策に向けて模索し合うことで、学級の仲間づくりが深まっていくものです。しかし、このような教育活動で意見表明が上手くできないことは残念に思います。同調圧力(集団において少数意見の人に対して多数意見の人の考えを暗黙的に強制すること)が影響しているかもしれません。子どもの意見表明権行使の後押しには、集団の人間関係づくりへの心配りも必要そうです。
続く…
子どもの権利擁護委員 小林央美
※続きは次回号で掲載します。
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