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更新日:2020年12月17日
今回は、皆様と直接かかわっている「調査相談専門員」の活動の一端を紹介したいと思います。
相談事業の根幹である「守秘義務」の問題がありますので、事例についてはプライバシーに留意しながら、専門員の言葉だけを紹介したいと思います。
ここで紹介するのは、筆者が勝手に「ほっこりケース」とネーミングした子どもです。匿名のメール相談で、100回を超えるやり取りを重ねていたケースです。「ほっこり」という言葉で形容した理由は、子どもの感性・感受性がとても豊かで、独自の多彩な世界を見せてくれたことです。それに呼応して専門員の感性も十分に発揮され、擁護委員も楽しみにして聴いていた事例です。両者の特性がうまく交じり合って、独自のほっこりとした世界が創り出されていました。
最初の頃は、「家族とちゃんと話がしたい」「思っていることを周りに言えない」などの対人関係の繊細な悩みが語られていました。気掛かりなことがどんどん出現してきました。これらを素直に受容・共感するとともに、これに捉われることなく、時には同じような体験を自己開示し、別の受け止め方・考え方も出来るよとリフレーミングし、強みを見出すストレングスの姿勢や相手に敬意をはらうコンプリメントを忘れずに丁寧な関係づくりを行っていました。この子どもの潜在的な「生きる力」を信じて、寄り添っていく姿勢は微笑ましく感じられました。
今でもじゅーーーーぶんに頑張っている〇〇ちゃん。
うん、元気に生きたいって、とってもいいね☆
時々ほっとする時間も過ごしてね^^
次第に専門員と子どもとの会話は、メール相談の形式的なやり取りを超えて、良い意味で、感性と知性がぶつかり合い、鮮やかな独自の世界を創り出していきます。
子どもは思春期の繊細な感性で、宇宙の色に思いをはせ、夕焼け空に感激し、大好きな猫や食べ物に関心を向け、家族や友人に感謝の気持ちを持つなど世界がどんどん広がっていきました。それに呼応して専門員も、心の奥底に眠らせていた少女時代の感性を賦活させていたように思います。
なんとなく気づかずに見過ごしてしまう景色や出来事も、
〇〇ちゃんが、その日起きたことや考えたことを話してくれることで
私は、感動したり、わくわくしたり、ぽっと心があたたかくなったり、
優しい気持ちになったり…
日常には、心を動かすことが、実はたくさん散りばめられているんだなと、
思うようになりました。
気づかせてくれたのは〇〇ちゃんです。ありがとうね^^
それから、話すだけで嬉しい気持ちになれる、心の支えになってる気がすると
言ってくれたことも、すごく嬉しかったなぁo(*^▽^*)o
「○○ちゃんワールド」は、「遠く」を眺めながらも「近く」を見つめる柔軟性と、身近な風景の中にある色彩や音色や香りに気づく感受性が存分に発揮されるようになりました。そして、この少女は、高校受験・進学を機に、新たな世界にきれいに旅立っていきました。
青森市に「こんな素敵な子どもがいる」ということ、子どもの権利条例が望んだ「子どもと専門員との豊かな関係」が存在することを教えてくれました。
子どもの権利擁護委員 関谷 道夫
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