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更新日:2020年1月31日
ある幼稚園の公開研究会でのことです。園庭での自由遊びの様子を観察していました。あるお子さんが一心に滑り台を滑っています。何回も、何回も滑り台を滑っています。はじめは勢いをつけすぎて、滑り台の最終地点で砂場にしりもちをついていました。心配でつい手を出してしまいそうになり駆け寄りましたが、そのお子さんが、「あれっ?」という表情をしたのです。まだ、4歳ぐらいのお子さんです。この子は、いったい何に疑問をもったのだろう?とふと、駆け寄る足を止め観察してみました。すると、子どもなりに滑り台の手すりにつかまる力を強めたり、ゆるめたりと、どうやらスピードを調整しているのです。そして、しばらくすると、ちょうどよいスピードになり、滑り終わるときれいに滑り台下の砂場にストンと立つことができていました。その表情は満足げで、ちょっと勝ち誇ったようで、素敵な子どもの表情の一シーンとして心に残っております。あの時、上手く滑れていない状況を心配し過ぎて、危ないと思ってつい手を出して止めていたら、あのお子さんの素敵な成長の笑顔には出会うことができなかっただろうと思うのです。あらためて、成長を見守る大人の勇気の大切さについて考えさせられました。
子どもが成長する場面や方法は様々だと思いますが、いずれにしても、平たんに何事もなく一直線に進むということではないように思います。子ども自身が試行錯誤し、足踏みしたり、失敗したりしながら、小さな成功体験を積み上げ、自信をつけながら成長していくのだと思います。その自信は、自ら挑戦する勇気(力)となり、主体性を育み、やがて青年期を迎え、自立し、自分の人生を自分なりに歩んでいくことにつながります。
この視点から青森市子どもの権利条例を振り返ってみますと、権利条例は、子どもの成長にとって欠かすことのできない権利を守っていると考えられます。言い換えると「子どもの育つ権利」を保障しているといえるでしょう。次回も、子どもの成長について権利条例を鑑みながら考えていきたいと思います。
続く…
子どもの権利擁護委員 小林 央美
※続きは次回号で掲載します。
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