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更新日:2020年6月10日
1.新型コロナ感染症は、私達の社会に様々な困難や課題を突き付け、コロナ禍とも称される現象が生じ
ています。この状況は、ワクチンが一般に行き渡り、治療薬が普及するまでの数年間は、変わらない
と覚悟しなければならないようです。私達は、しばらくは新型コロナ感染症との共存、共生という狭
き道を行かねばなりません。
そもそも、私達の生活は、思うようにはいかないように出来ています。日々、地震や風水害などの自
然災害、病気、事故、あるいは法的なトラブルに巻き込まれるなど、予測のできないトラブルが不可
避的に発生します。
それでも、人間は、これらの困り事と折り合いを付ける仕組みや制度を社会の中に築いて、助け合い
ながら生きてきました。
2.個人としての人間は弱い生き物です。誰一人として、一人だけでは生きていくことはできません。
一人の力では、どうにもできないことだらけです。そんな弱い生き物である人間が、苦難に押しつぶ
されることなく、その人なりの人生を全うするために社会というものがあるのだと思います。
つまり、個人ではどうしようもできない大きな災禍が生じた時こそ、社会は、弱く苦しんでいる人を
守るという本来の機能を発揮しなければなりません。正に、今がその時です。私達の社会が、社会的
弱者を守る機能を正しく発揮すれば、コロナの禍(わざわい)は必ず解消できるはずです。
3.ところが、図らずも感染してしまった人のプライバシーをネット上で暴き立てて攻撃したり、医療・
介護の現場で職責を全うする中で感染してしまった医療職員や介護職員、その家族を差別したり、排
除しようとする等の非寛容な言動が見受けられます。
このような言動は、差別や偏見という感染症以上の害悪を社会に蔓延させ、社会的弱者を守るという
社会の機能を著しく損なう許されない行為だと思います。
4.私達は、今こそ、社会の有りようを冷静に見つめ直し、どのようにして差別や偏見を乗り越えて寛容
な社会を実現できるか、考えていかねばならないと思います。
子どもの権利擁護委員 沼田 徹
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