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更新日:2021年8月10日
県外からの転校生やその保護者の声を聞きますと、青森市の校則の運用は、相対的に細かく厳しいものとなっているようです。いたずらに厳しい校則の存在によって、いじめが誘発されたり、不登校の原因になっている事例も存在します。先に述べた文部科学省の動向や「ブラック校則」に対する社会的批判の高まりを踏まえますと、各学校において校則の見直しが喫緊の課題ではないかと思われます。
その際に、最も大切なことは、校則の見直しを先生だけで行うのではなく、子どもたちや保護者と一緒に検討、議論していくことです。
学校は、自分で考え、判断し、失敗しても納得して、自分で人生を切り開いて行くことができる基本的な力を涵養する場であるべきです。それが本当の意味で、自分自身が人生の主人公になるということではないかと思います。そのために、子どもは、「自分にとって重要な決定が行われる場合は、自分の意見を主張できる」のでなければなりません。青森市子どもの権利条例の第9条では、このような「意見を表明し参加する権利」を保障しています。
学校は、子どもたちにとって基本的な学びと生活の場です。校則の有り様は、子どもにとって重要な事項であることは疑いのないところです。子どもが、自分にとって身近で切実な事柄について、具体的に考え、議論し、ルール作りに参画することは、「意見を表明し参加する権利」を行使する最も適切な場面です。
大事なことは、子どもの主体性を尊重し、生徒会での議論を中心として、子どもがこの問題を我が事として真剣に考える機会を与えることです。これは、主権者教育としても最良の訓練の場面になると思います。
何が合理的な校則かの線引きは、現場において判断が難しい場面もあります。もちろん、性急に結論を出すことで混乱が生じてもいけません。何よりも民主的なプロセスを通じて、じっくりと関係者みんなで考え、納得の上で変えていくことが重要だと思います。校則に関わる議論の前提となる基本的事柄などについて、ご要望があれば、子どもの権利擁護委員が、出前講座として生徒会やPTAの会合の場に参り、喜んでお話させて戴きます。お気軽に子どもの権利相談センターにご連絡を下さいますようにお願い致します。
子どもの権利擁護委員 沼田 徹
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